同人雑誌の妄想話


この前、ともだち3人と新宿で飲んだときに、「もし俺たち4人が同人雑誌をつくるならどんな感じにしたい?」って話をした。「いやもちろんあくまで『もしも』の話だぜ、だからべつに真剣に考えなくてもいいんだけど」


僕たちはひとりずつコンセプトを言いあう。ユリイカっぽい感じにしたいね、でも一般読者が手に取りやすいほうがいいな、云々。


僕は、たぶん、つくるなら、僕らみたいなひとが集まるコミュニティみたいな雑誌がいい(だから一般読者とかは考えていない。あくまでエゴティスティックにいくべきであると思う)。


僕らみたいなひと、つまり、明け方すぎに、カーテンを閉めきった部屋で、ひとりきり、眠れずに、無駄に携帯の画面ばかり見てしまう、底冷えするほどさみしいんだけど、でもなにかいろいろなものとのあいだに距離を感じてしまっているから、だれかと繋がりたくてもうまくいかないような、そんなひとたちのための、ゆるい交流の場。


「僕はいつもそんなふうに文章を書くからさ、読んでるひとにもその雰囲気が伝わる感じがあればいいんだけどね。誌面からノートパソコンの明かりが透けてみえるようなさ。声にならない声、悲痛でまっすぐなのが聞こえてくるような。なんというか、いやこいつぜったい社会人じゃねえよなっていう。フリーターとか院生とか、そういうふうな。一人じゃないぜ的な。


……あれ、わかるよね?」


ぜんぜんわかってもらえませんでした。「ハハハそれ誰が読むんだよー」だってさ。

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