やきもち


あまりよくは知らないけれどそれなりの好意を抱いているていどの個人から他人や特定の物事についての話をされると、僕たちは困ったことに妙な嫉妬や羨望を抱いてしまう。「ああこの人は自分のあずかり知らぬところでさまざまな関係性をつくっているのだなあ」と思って苦しくなってしまう。


僕たちは僕たち以外のみんなが孤独であれと願っている。とくにあなたは、あなただけには、さみしい夜を過ごしていてほしいと思っている。


だから、けっきょくのところ、安全なのは「自分自身の内面についての話」なのだ。あなたしか登場人物のいない、しゃっくりみたいにちいさくて断絶された叫び声によって語られる、内側の物語。

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