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水族館

今日もひとりで水族館に行った。2週間ほど前にそこの年間パスポートをとってから、すでに数回は通っている。


とはいえ、水族館はまだ僕にとってそこまで気のおける場所になってはいない。ひとりで水槽をながめていると、いまでも、どうも周りの家族連れやらカップルやらが気になってしまうのだ。彼らの存在を意識したその瞬間に、僕は彼らの目を通して僕自身のすがたを見てしまうことになる。そうすると、もう水槽のなかのイシダイになんて集中できなくなって、自分のトートバッグを握る手のぎこちなさだったり、伸びすぎた髪の毛のことだったりのことを考えてしまう。


それでも、そうした自意識過剰は、はじめてひとりでそこに行ったときよりいくぶんマシになっているような気がする。それはおそらく前回からイヤホンをつけて音楽を聴きながら展示を見るようにしたからだと思う。音楽が流れていて、他のひとの声が聞こえなくなると段違いに気持ちが楽だ。魚の尾びれの動きを5分以上ずっと目で追ったりすることもできるようになる。そんなわけで今日はくるりの『THE PIER』と『図鑑』を聴いていた。個人的にくるりは水族館によく合うんじゃないかと思っている。


僕は数ある展示のなかでもとくにウミガメの水槽が好きだ。今日も複数回にわたってそこを訪問した。ほんとうはもっと、1時間くらいはそこでぼーっとウミガメを観察していたかったのだが、そうすると周りから変なひとだと思われそうで、あとあの子どもたちにも水槽を譲ったほうがいいよなあなんて考えて、なんとなく遠慮してしまった。写真はそれなりにいっぱい撮った。かわいかったな、ウミガメ。


僕が水族館に行ったのは平日の夕方から夜にかけて。いつもより観客のすくないイルカショーはゆるい雰囲気だった。お兄さんがイルカの尻尾をつかんでプールの縁沿いに彼を引っ張っていた。「僕たちはコンビ歴が7年もあって長いから、こんなことしても怒らないんですよ」。イルカはちょっと人間にデレデレしすぎているんじゃないかなあと思う。


帰りぎわ、中くらいの水槽のなかでカタクチイワシの群れが旋回を続けているのを見た。たぶん、これを書いているいまも、彼らはぐるぐるぐるぐるおなじスピードで延々と回り続けているのだろう。しばらくその前に立っていると、イワシの一匹一匹にも、特徴というか、個性のようなものを見いだせるんじゃないかなという気がした。顎のかたちだったり、目の飛び出し具合だったり。いや、もちろん、彼らが自分に個性が必要だなんて感じてはいないんだろうけれど。


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